医学系研究・放射線治療センター

1) 研究機関: 大船中央病院
2) 研究課題名: 早期肝細胞癌に対する体幹部定位放射線治療の有用性
3) 研究期間: 2016年2月1日 ~ 2017年1月31日
4)研究の目的と意義: C型慢性肝炎、肝硬変患者における肝細胞癌罹患率は10年で60%以上と高率である。抗ウイルス剤治療によるウイルス消失は有意に発癌率を減少させるが、既存のウイルス性肝炎および肝硬変患者からの肝細胞癌発症を防ぐことは見込まれな。早期肝細胞癌(BCLC stage 0-1)に対する標準治療は切除、肝移植、RFAであるが、実際にはそれらの治療適応となることは30%未満である。また、孤立性肝細胞癌でさえ、肝予備能低下や、病巣位置が理由で治療困難であること等が理由となり必ずしも根治治療を受けられるとは限らない。このような状況ではTACE(経カテーテル動脈化学塞栓術)が推奨されるが、TACEの治療成績やRFAに及ばない。 体幹部定位放射線治療はテクノロジーの進歩が可能とした高精度放射線治療技術であり、病巣に対する高線量投与と周囲正常組織への線量低下の両立を可能にした治療法である。既に原発性肺癌では手術と同等の局所制御率が多数報告されており、手術適応外早期肺癌患者での標準治療となっている。大船中央病院では多くの肝細胞癌患者に体幹部定位放射線治療を行っており、手術やRFAに匹敵する治療成績を報告している。また90例を対象とした自施設前向き研究でも3年局所制御率96%と良好な成績である。 このように体幹部定位放射線治療が早期肝細胞癌に対する治療法として有望であり、新たな根治治療のひとつとなる可能性があるが、比較的新しい治療であるため、治療法の確立や、至適対照群の選択など、エビデンスの蓄積が望まれる。特に、体幹部定位放射線治療はRFAと同等の局所制御率を有するが、どのような症例にどちらの治療法が適しているのかといった棲み分けを明確にする必要がある。今回、早期肝細胞癌に対する手術以外の根治治療であるRFAと体幹部定位放射線治療の治療成績を後方視的に比較することにより、その有用性を検証する。
5)方法:  大船中央病院にて2006-2015年に肝細胞癌に対して体幹部定位放射線治療を行った約450例と、横浜市大センター病院消化器病センターにて2006-2015年に肝細胞癌に対してRFAを行った約700例中450例の治療成績を後方視的に比較する。
6)個人情報保護の方法: ・申請の際にお預かりした個人情報については、研究助成プログラムの審査の目的のためにのみ使用します。
・今回取得させていただく個人情報は、厳正に管理された委託先へ取り扱いを委託する場合があります。

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