医学系研究/消化器・IBDセンター

大船中央病院消化器・IBDセンターでは、標題の臨床研究を実施しております。
本研究の概要は以下のとおりです。

1)研究の目的: 炎症性腸疾患(IBD)とは、腸に慢性炎症が生じる難病で、その病態は、遺伝的背景や環境因子などが複雑に絡み合った多因子疾患です。IBDは、主に潰瘍性大腸炎とクローン病に分かれます。本邦のIBD患者数は近年急激に増加しており、潰瘍性大腸炎は約22万人、クローン病は約7万人と推定されています。従来、アミノサリチル酸製剤、ステロイド、生物学的製剤などが中心的なIBD治療薬でした。近年、潰瘍性大腸炎において、ヤヌスキナーゼ阻害薬であるトファシチニブ、フィルゴチニブ、ウパダシチニブが使用できるようになりました。そこで、本研究では、実診療で得られたリアルワールドデータによる臨床研究を日本の多機関で実施し、潰瘍性大腸炎患者におけるヤヌスキナーゼ阻害薬の有効性と安全性を評価することで、各薬剤の好適症例の特徴や治療薬の使用順序を理解することを目的としております。
2)研究対象者: ヤヌスキナーゼ阻害薬を導入されている16歳以上の潰瘍性大腸炎患者
3)研究期間: 倫理審査委員会承認後〜2030年3月31日まで
4)研究の方法: 研究の内容を説明します。各施設において、電子カルテに既に記載された診療記録の調査により、診療データを抽出します。そして、他施設から情報提供を受け、データ解析を行います。
5)情報の項目: 本研究では、潰瘍性大腸炎におけるヤヌスキナーゼ阻害薬(フィルゴチニブ、ウパダシチニブ、トファシチニブ)の有効性と安全性を検討することを目的としております。有効性については、治療薬開始3ヶ月前後での寛解導入効果と1年前後での寛解維持効果に分けて評価します。安全性に関しては、治療薬開始後に発生した帯状疱疹などの感染症、悪性疾患、血栓、主要心血管イベント、死亡等を評価します。

診療データに関しては以下の項目を評価します。年齢、性別、診断名と診断時年齢、疾患活動性、生活歴(特に喫煙歴)、Body mass index、治療データ(コルチコステロイド、生物学的製剤、低分子化合物を含む内科治療薬の種類、投与量、使用期間、内科治療薬の種類及び外科的介入の有無)、原発性硬化性胆管炎などの免疫介在性炎症性疾患や大腸癌を含む悪性疾患などの既往歴、家族歴、手術関連データ(手術理由、術日、術式、術後合併症など)、血液検査(血算、生化学、凝固検査、CRPやロイシンリッチα2グリコプロテインといった炎症マーカーなど)、便検査(便中カルプロテクチンや便培養検査など)、尿検査、臨床症状(排便回数、血便など)、内視鏡画像やレポート、内視鏡生検検体や手術検体などの病理組織所見、腹部エコー、CT、MR enterographyを含むMRIなどの画像所見、病型(モントリオール分類)など。潰瘍性大腸炎の臨床個人調査票に記載されたデータも評価対象とします。

6)情報の第三者への提供について(該当する場合は記載): 他の機関へ情報や試料が提供されることはありません。
7)利益相反について: 研究代表者は、本学研究者の利益相反について、企業と利益相反関係にある研究分担者が含まれることを確認しております。データ解析、結果の解釈、結果の公表等の判断には単独では関与せず、他研究者と共同で行うこととします。本学研究者の利益相反に関しては、本学利益相反委員会において、適切な評価を受けました。他施設の研究者に関しては、各施設の委員会により、利益相反について適切な評価を受けました。
8)情報の管理について責任を有する者: 国立大学法人 筑波大学 医学医療系 消化器内科 
役職 講師 氏名 秋山 慎太郎
〒305-8575 茨城県つくば市天王台1-1-1
Tel/Fax:029-853-3218
9)研究機関名および研究責任者名: 東京医科歯科大学消化器内科
役職 消化器連携医療学 准教授 氏名 藤井 俊光

東京慈恵会医科大学内科学講座 消化器・肝臓内科
役職 教授 氏名 猿田 雅之

久留米大学医学部内科学講座 消化器内科部門
役職 講師 氏名 吉岡 慎一郎

岡山大学大学病院 炎症性腸疾患センター
役職 准教授 氏名 平岡 佐規子

北里大学医学部消化器内科学
役職 診療准教授 氏名 横山 薫

岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野
役職 教授 松本 主之

大船中央病院消化器・センター 光学診療部
役職 光学診療部 部長 氏名 吉田 篤史

兵庫医科大学消化器内科
役職 教授 氏名 新﨑 信一郎

東京女子医科大学消化器内科
役職 助教 氏名 高鹿 美姫

順天堂大学 消化器内科
役職 先任准教授 澁谷 智義

東京山手メディカルセンター 炎症性腸疾患センター
役職 部長 酒匂 美奈子

10)本研究への参加を希望されない場合: 患者さんやご家族(ご遺族)が本研究への参加を希望されず、試料・情報の利用又は提供の停止を希望される場合は、下記の問い合わせ先へご連絡ください。すでに研究結果が公表されている場合など、ご希望に添えない場合もございます。
11)問い合わせ連絡先: 大船中央病院 消化器・IBDセンター 
役職 光学診療部 部長 吉田 篤史 
〒247-0056 神奈川県鎌倉市大船6-2-24
Tel:0467-45-2111
※本研究の対象となる方又はその代理人(ご本人より本研究に関する委任を受けた方など)より、情報の利用や他の研究機関への提供の停止を求める旨のお申し出があった場合は適切な処置を行いますので、その場合も上記問い合わせ先へのご連絡をお願い致します。

 

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